TANUTANU-OFFICEでCSR活動をしてみました!

 CSRという言葉を御存じですか?う“coporate social responsibility(企業の社会的責任)略語”であり、“企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任”のことを指します。ボランティア活動との違いは、ボランティア活動が専らな社会貢献活動に原則報酬を得ることを目的とせずに自発的に行われることであるのに対して、CSR活動は利益追求を目的とする企業活動それ自体において社会的責任を果たしていくことを指します。また、最近話題のSDGsとの違いは、SDGsは企業活動の延長線上で社会課題の解決を果たしていくという点に違いがあります。

‥‥自分で書いていても、ややこし過ぎてよくわからなくなってきました。

 例え話をすると、チョコレート工場が、チョコレートの原材料となるカカオ豆のプランテーションにおいて低賃金労働による不当な搾取がおきないようにカカオ豆原産地の労働者に配慮した労働環境を整えたりやカカオ豆プランテーションによる環境破壊の影響を顧みて緑化事業に助力するのがCSR活動、緑化事業の一環として従業員が無償で植林活動に参加するのがボランティア活動、カカオを収穫・加工する際に大量に廃棄されるカカオの殻を使った肥料やお茶を開発・商品化し販売するのがSDGsといったところでしょうか。CSR活動もSDGsもボランティア活動も、活動として取り組む場合に重複することがあるため混同されがちですが、その言葉の持つ意味や目的は少しずつ異なっています。

前置きが長くなりましたが、そんなこんなで我ら(我ら?)がTANUTANU-OFFICEでも、企業としての社会的責任を果たすため、CSR活動を行いました。
内容は、森林域に入るための階段周りの草刈りです。
なんだ草刈りかよ、と思ったそこの貴方!草刈りを侮っていはいけません。登山における道迷いの原因は、霧や雨などの悪天候による視界不良の他、登山道周りの草木が繁茂したことによって登山道が不鮮明になったことが主な原因だったりします。今回草刈りした場所は、別に登山道でもなんでもないどころか、住宅街から0距離のところにある裏山への道ではありますが、草が生い茂っていれば足元も見えず、階段を踏み外す確率もグンとあがるので、やはり草刈りをする必要があるのです。そんなわけで森林大好きTANUTANU-OFFICEが、森の中に入ろうとした方々が怪我をしないように、森への道を整備することは、きっとたぶんおそらくはCSR活動に含まれるはずです。

なにはともあれ、道綺麗が綺麗になって気持ちもスッキリ。これでカラスが見守る中、私が階段を踏み外し転びかけたあの日の雪辱を果たすことが出来たように思います。

TANUTANU-OFFICEの常連さん

 TANUTANU-OFFICEの事業を始める!と決めてから、気が付けばあっという間に月日が立ちました。家の片づけから始まって、ホームページを作ったり、チラシを作ったり、備品を整えたりと、少しづつ準備を進めています。己の容量の悪さに苛立ちつつも、毎日確実に何かが進んでいる感覚は心地よいものでもあったりします。目標のない人生はつまらない!といったようなところでしょうか。

 ところでTANUTANU-OFFICEには、「TANUTANU-OFFICE」とかいう名前の看板を掲げる前からの常連さんがいます。それが、こちらの方。

キジバトです。

別名ヤマバトとも言い、かつては山岳地帯に生息し人前には滅多に姿を現さない鳥でした。因みに、都市部の公園でこれでもかというほどよく目にする黒っぽいハトは”ドバト(カワラバト)”というのですが、このドバトは2002年に環境省から公布された「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」よって狩猟対象から外されていますが、キジバトは狩猟対象の野鳥です。感覚的にはキジバトの方がドバトより珍しい気がするのですが、このようにキジバトが狩猟対象でドバトが保護対象になっている理由は、ドバトが鳩レースに用いられるレース鳩との判別が難しく、カワラバトを狩猟対象にすることによって、レース鳩が狩猟されるようになると色々とまた別の問題が出てくるためなのだとか。とはいえ、キジバトの素朴ながらも美しいその姿はこっそりしっかり日本人に愛されていたとみえ、つい最近までは普通切手の意匠にもなっていました。

さて、そんなキジバトも、1960年以降都市部での狩猟が制限されるようになったことで人をあまり恐れなくなり、1970年代以降は住宅街でみかけることも珍しくなくなりました。それでも、キジバトはドバトに比べればずっと警戒心が強い言われています。

そのキジバトが、我が家の庭に度々訪れたりこのように羽を広げてお寛ぎくださることを、生き物好きの私は結構光栄に思っていたりします。キジバトにとって居心地の良い庭は、きっと他の生き物や人間にも居心地が良い場所のはず!という根拠なき推測の元、これからもキジバトも思わず立ち寄りたくなる場所づくりを目指して、頑張っていきたいと思っています。

季節労働する象と、追い払われる鳥

誰にも信じて貰えないかもしれないし、そもそも誰かに信じて貰う必要があるのかもわかりませんが、一応毎日何かしら仕事的なものをしている私です。本当です。嘘じゃないです。

お仕事というものは、収入源となる見栄えのする何かを実行するまでに、恐ろしく地味で、それをやっただけでは一文にもならない数多の雑用があります。自営業の大変なところは、そんな一文にもならないけどやらないわけにはいかない雑用に追われていると、本当に一文も入ってこないところ、だったりします。なんだかんだ言って日給が保証されているサラリーマン(給料を貰う人の意。アルバイトも派遣社員も社員もサラリーマン)の収入保障のなんと手厚い事か!

そういえば、南国のどこかに生息する「人に雇用される象」の話を昔テレビで見ました。その象達たちは、普段は森林域で野生の象として暮らしているのですが、毎年畑を耕す時期になると人里に訪れ馬耕ならぬ象耕の労働力として一時的に人間の家畜となり、サラリーとして給餌を受け、耕起作業が終わると森に帰っていくのだそうです。この象の話を知った時、「雇用」のルーツをみたようで、ちょっと感動した記憶があります。(因みに虚覚えですが、確かこの本にも、チラッとこの話が載っていたはず…。面白い本なので、象の話に興味がなくても読んでみてください!)

また、最近、近所でこんな声を聴く事が増えました。

この美しくもけたたましい鳴き声の正体は、その名もずばり!

「ガビチョウ」。

クレオパトラのごとき高貴なアイランが特徴の鳥で、その本来の生息地は中国南部や東南アジア。日本に入ってきたのは1970年と比較的最近です。
東南アジアでは鳴き合わせを楽しむ愛玩鳥としてポピュラーな鳥であり、安価に入手できたため、愛玩鳥ブームにあやかろうとした日本のペット業者が大量に仕入れていたものの、売れずに大量に遺棄(放鳥)した結果、野生化したのだとか。
現在日本では特定外来生物に指定されているのですが、収益になりそうだからと大量に飼育しておきながら目論見が外れたと言って遺棄し、おまけに外来種として駆除しようとするなんて、被雇用者を大量雇用しておきながら状況が変わったとか言って採用取り消しや大量解雇をし、かつ解雇された元従業員が企業組織に就職する以外の生き方を確立するやいなや真っ当な生き方じゃないだのなんだのと苦言を呈するような、ブラック企業大賞もびっくりのブラックぶりです!(…ちょっと極端な例えをしました。自覚はあります。すみません。)

それにしても、南国の象とガビチョウ各々の人との関わり方は対局にあるように思います。それは、各々の生き物と人との関わり方が、対等なものなのか非対等なものかという違いによるのかもしれません。
遥か昔、動物がその生涯の殺生与奪の権を人間に握られたことによって、人間との対等な関係が崩れ、家畜という概念が誕生しました。
ブラック企業という概念が生まれたのもまた、雇用者と被雇用者との対等な関係が崩れたことによるのではないでしょうか。
そして対等な関係が崩れた原因は、家畜化されその一生涯を人から給餌を受けることで過ごす動物の多くが、採食という行動を忘れ人間からの給餌なしでは生きることができなくなったのと同様、会社にいるだけで給料を貰えるのが当たり前の時代が続いたがために、多くの社会人が金銭を得られるその理由を見失い、生き方が本来多様であるということを忘れたせいでもあったのかもしれません。

私もすっかり野生での生き方を忘れてしまった生き物です。なのでこの先、上手く生き抜いていけるのか、社会という私自身を取り巻く大きな存在に特定外来種よろしく鼻つまみ者として扱われないか心配なのですが、南国の象のように逞しく、相手と対等な関係を築きながら、自由で不自由なこの社会で、自分なりに生きる方法を確立したいと思う今日この頃です。